「こわいもの知らずの病理学講義」の規格外な売れ方

どこの書店でも目に付くところに置かれていて、「あの黄色い病理の本! 知ってる!」とちまたでうわさのこちら。

「大阪のおっちゃんおばちゃんが気楽に読めるで」的なノリでご紹介されていることが多いのですが、実はこの本、病理学の超有名本「Robbins Pathologic Basis of Disease」(通称ロビンス)の副読本とでもいうべき、「ガチの病理総論本」です。それが10万部以上売れるなんてびっくり。決して内容は簡単ではないんですよ(ただし語り口はとてもやさしいです。さらさら読める)。


米国などではゴリッゴリの物理本や数学本がしばしばベストセラーになっており、邦訳された日本語版を読むと「こんなに難しい内容の本が全米で何十万部も売れるなんて……」と驚かされます。


日本では、そういうことは無理かなあ、やっぱりタイトルだけでドカンと売れる平易な本ばかり見るもんなあ、と思っていたのですが、このたび、仲野徹先生が「ほんとうの学問をわかりやすく語り、きちんと売る」ことに成功したのです。まさにこわいもの知らず。


結局は洋の東西を問わず、「難しくても人々は読む。ただしよい本であれば。」が証明されているのかな、なんて思うわけです。


この本を読んだあとにおすすめしたい本もあります。いずれご紹介します。本書は医学を志す人、医療に携わる人、知的好奇心を満たしたい人などに幅広くおすすめです。少なくとも検索ほかでこの「病理情報ポータル」に辿り着く人には、この本に対する親和性があると思います。(担当I)

病理情報ポータル

病理の情報を集めてあちこち見に行きたい人のための「ハブ空港」、それが病理情報ポータルです。

0コメント

  • 1000 / 1000