群馬皮膚病理研究所の二瓶先生がお作りになったものです。Mac、およびWindows 10で動作確認済み。
↑こちらがWindows用で……
こちらがMac用。
これはどういうシステムかというと、「病理所見」をクリックして選んでいくと、それに該当する軟部腫瘍の名前がどんどんリストアップされる、というやつなんですね。
世の中にある病理の教科書のほとんどは、「疾患名」で検索することには向いているのですが、「所見名」での検索は大変です。たとえばpseudo-rosetteの形態を有する軟部腫瘍をプレパラートで見て、これ、どんな鑑別診断があるかな、って考えると、いろんな教科書の索引から「pseudo-rosette」で調べてあちこちのページに飛んでいくというやり方をするしかないわけです。
先日、「外科病理診断学 原理とプラクティス」という教科書が金芳堂から出まして、これが私が知る限りでは「所見から診断に迫れる」本なんですけれども、あとはなかなか……。いや、ま、たしかに、Enzingerの教科書にも最初のほう(Chapter 6あたり)には所見から診断に迫るページがあることはあるんですけれどね。あまりボリュームがないわけですよ。
そこでこのソフトです。Vectorから無料でダウンロードできます。おまけに、これは個人作成ソフトとしては思い切っていい方に転んだなあと思うのですが、ダウンロード後にご自身で診断名をアップデートしていくことができるんですよね。ダウンロードして数年すると古くなってしまう教科書類とは異なり、使い続けていればどんどん自分で精度を担保できるわけです。つまりは、ご施設にひとつ入れておくと、上司から部下への教育にも使えますし、珍しい診断があったらそれを記録しておくこともできるのです。
IoT時代ですが多少アナログ性が残っているこういうソフトのほうが使い勝手がよい場面もあります。ぜひお試し下さい。
(担当S)
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